2017年06月10日

オペラ座の稽古場

 印象主義時代の大画家エドガー・ドガが踊り子を描いた作品の代表的作例のひとつ『オペラ座の稽古場』。『ル・ペルティエ街のオペラ座のバレエ教室』、又は『踊りの審査』とも呼称される本作は、エドガー・ドガが1860年代後半から19世紀末まで精力的に手がけた画題『踊り子』らを描いた作品の中の一点で、おそらく1873年、一時的に滞在していたアメリカへの渡航前に制作されたと考えられている。

 本作はバレエ教師(杖を床に突いた白い衣服の男)と、その隣の椅子に座るヴァイオリン奏者の前で踊り(又は振り付け)の練習を見せようとする踊り子の姿を描いた作品であるが、画面左部分に描かれる踊り子の演習直前の緊張感と、その周囲で彼女の演技に注目しながらも、それぞれ己の演習に備え(身体を)調整している姿の(ある種の)対比的かつ自然主義的な表現は、本場面となったル・ペルティエ街のオペラ座のバレエ教室で、このような情景が繰り広げられていたのだろうと推測するのが容易なほど秀逸の出来栄えである。
オペラ座の稽古場




Posted by カリンちゃん at 11:41│Comments(0)
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