2015年12月22日

実業家マックス・レースべルク

実業家マックス・レースべルク
ディクスは、1920年代のドイツでノイエ・ザハリッヒカイト(新客観性)として知られるようになった、感情を表さない、事実間題のリアリズムに向かう運動のよく知られた画家である。しかし、彼の臨床的で、しばしば無情なリアリズムは、彼を同時代人からへだてている。ごくわずかな心に訴える細部を用いて、ディクスは,高名な法律家、実業家、美術商、さらには詩人、娼婦、ダンサーなど、モデルの個性をとらえることに成功している。ディクスの後期の作品を満たしている悪魔的な率直さは、1922年という初期に注文されたこの肖像画にはない。レースべルク(1885-1965)は、エ業用品の製造業者で、ドレスデンの若手の美術家たちの作品を収集し、その中にはディクスも入っていた。きちんと暗灰色の上着、灰色のチョッキ、青柄のネクタイ、こわばった白の力ラーを身につけている。レースべルクは鋭い知性を見せている。壁にかかる時計、日めくり力レンダー、機械部品の通信販売カタログ、机上の紙ばさみの上に重ねられたオットー・ディクス宛ての手紙など、画面の細部がモデルをしっかりと職業上の活動にとどめている。最新の黒と銀色の電話が、黒と白でハイライトがつき、主として緑と褐色という商業と金銭の世界の地味な色彩で表現された、この小さな町のオフィスにコスモポリタンなスマートさを添えている。



Posted by カリンちゃん at 16:41│Comments(0)
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