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Posted by んだ!ブログ運営事務局 at

2017年09月21日

王制(旧体制)の影響や痕跡が強く残るポール=マルリの街の歴史を刻む記録画的な作品としての側面もある

 どんな日常にもある不安的要因として、予期しない出来事(本作では洪水)や外的要素によって、平穏な日常が破壊的に侵食され、変容してしまう姿を描いた本作であるものの、波立つ水面の筆触を感じさせる描写や、厚い雲間から射し込む陽光によって微妙に変化する色彩の自然的な表現は、観る者に強い印象を与えるだけでなく、王制(旧体制)の影響や痕跡が強く残るポール=マルリの街の歴史を刻む記録画的な作品としての側面もある。

 なお本作以外にポール=マルリの洪水を描いた作品では、本作の左斜めから見た視点で描かれる作品『ポール=マルリの洪水と小船(オルセー美術館所蔵)』や、本作とほぼ同様の視点・構図の作品『ポール=マルリの洪水時の波止場(ルーアン美術館所蔵)』、本作と逆の視点から上流方向を描いた作品『ポール=マルリの洪水(フィッツウィリアム美術館所蔵)』などが知られている。

  


Posted by カリンちゃん at 16:30

2017年09月11日

豊潤な官能性を感じさせる裸婦の身体

 横たわる裸婦のやや澄ました表情。本作は画家がそれまでに幾多も手がけてきた≪横たわる裸婦≫を画題とした作品で、1903年頃からルノワールはクッションを背にした横たわる裸婦の連作をしており、本作はその中の最も完成度の高い作品として広く知られている。

 豊潤な官能性を感じさせる裸婦の身体。輝きを帯びた色彩と豊潤な官能性の表現が圧巻である本作の豊満な裸婦の身体からはルノワール作品特有の肉体的女性美が強く感じられ、画家の裸婦に対する強い執着を見出すことができる。

 自然体に組まれた裸婦の脚。横長の画面の中央へ配された僅かな白布を股に挟みながら横たわる裸婦は、緊張の色をまるで感じさせない非常に自然体な姿態で描かれており、観る者に柔らかな安心感を与えている。  


Posted by カリンちゃん at 12:08